Amazonは世界中で大きなシェアをもつクロスボーダーECの1つとして知られています。多くの出品者を集め、多くの電子商取引の経営者にとっては商品の認知度を高めたり、露出機会を増やしたりするの手段となっています。海外のウェブサイトTinuitiの統計によると、2020年第2四半期までに、Amazon DSP広告の支出額が28%増えました。つまり、ますます多くの人がDSPを使って商品の露出度を高めています。本記事ではAmazon DSP広告の種類やメリット・デメリット、投稿テクニックを解説していきます。
目次
Amazon DSP とは?
DSPというのはDemand Side Platformの略称で、広告を出稿する広告主向けの広告配信プラットフォームです。「Amazon DSP」はAmazonが提供するDSPサービスです。このサービスを使用すれば、Amazon内外に対して広告配信が可能になります。また、DSPを介して1つのインターフェイスで複数のアドエクスチェンジに同時にアクセスできるます。広告主にとって、メディア媒体を探す手間や複数のサイトに広告を入稿する時間が省けます。
DSP広告では画像、動画、音声などの形式を通じて潜在的な消費者を引き寄せることで、ブランド認知の向上をさせることができます。Amazon DSPの広告アルゴリズムは、電子商取引の販売者の投資予算に応じ、自動で広告の表示位置の調整し、最適化します。これにより広告露出回数が増加します。また通常、DSP広告を投入する期間が長いほど広告を表示するターゲット層がより精密になります。ここで最も特筆すべきは、Amazonプラットフォームで商品を販売しているかどうかにかかわらず、Amazon DSP広告を通じてブランドの露出を拡大させることができます。
Amazon DSP広告の種類
Amazon DSP広告は受け手である消費者の属性やニーズに基づいて、視覚と聴覚の両方で情報を提供することができます。「ディスプレイ広告」「動画広告」「音声広告」の主に3つに分けられます。以下はAmazon DSP 広告のディスプレイ広告について紹介します。
1. デスクトップパソコン/モバイルデバイス-Webサイトディスプレイ広告
Webサイトディスプレイ広告はレスポンシブデザインに対応しており、スマートフォンやパソコン、タブレットといった各デバイスの画面サイズに合わせ、自動的にレイアウトを調整し、ユーザーがスムーズにWebサイトを閲覧できるようになります。
2. モバイルアプリ-バナー広告
通常、バナー広告は多くの場合、見やすい場所に配置されています。ただし、バナー広告はサイズが小さいため、常に広告のキーワードを中央に配置され、ブランドや製品の特徴を正確かつ魅力的に伝えることが一般的です。
3.インタースティシャル広告
インタースティシャル広告とは、ユーザーがページを開いた際やページの切り替え途中、最前面に表示され画面全体を覆う広告です。全画面表示により、ビジュアルを使ってブランドの認知度向上が期待できます。ただし、広告が頻繁に表示されるとユーザーからわずらわしいと思われてしまい可能性があるため、インタースティシャル広告を活用する際は注意しましょう。
Amazon DSP広告のメリット・デメリットとは?
Amazon DSP広告のメリット
- 消費者の購買行動に基づいてターゲットオーディエンスを特定することができます。
- EC運営代行を利用することで、広告運用の手間を省くことができます。
- Amazon内と外部提携サイトへ広告を掲載することができるため、露出度を高めることができます。
Amazon DSP広告のデメリット
- 広告宣伝費が多い企業や知名ブランド企業に向いています。
- 一部のDSPでは、広告の配信先サイトが事前に確認できません。
Amazon DSP広告操作のコツ
- Amazon DSP広告にブランドロゴを追加することで、ブランドイメージを向上させることができます。
- 消費者の視点に立ち、創造的なアイデアを使って広告を作り上げ、消費者の注意を引き付けて購買意欲を促します。
- 広告でアクションを取る可能性が低いオーディエンスを除外します。
- 広告パフォーマンスを定期的に追跡し、A/Bテストを通して最も効果的な広告素材を見つけ出します。
- 各広告素材を変更し、十分なデータを収集するには配信から少なくとも2週間以上テスト期間がおすすめします。これにより、将来的にDSP広告を最適化することが容易になります。
Amazon DSP広告を掲載できる国
2022年10月までに、、Amazon DSP広告は以下の20か国で掲載可能です。
- アメリカ
- カナダ
- メキシコ
- ブラジル
- フランス
- ドイツ
- イタリア
- イギリス
- オランダ
- ポーランド
- スペイン
- スウェーデン
- トルコ
- インド
- 日本
- シンガポール
- オーストラリア
- エジプト
- アラブ首長国連邦
- サウジアラビア
Amazon DSP広告のターゲティングの種類について
1. アフィニティカテゴリ
スポーツ関連グッズを販売しているのであれば、トレーニングやジョギングをする習慣があるユーザーを選んでAmazon DSP広告を配信することができます。
2. 購買意向の強いユーザー層
広告は関連性の高い商品を過去に閲覧し、継続的に購入している消費者に対して配信されます。例えば、ある消費者が頻繫に服飾、イヤリング、ブレスレットなどの商品を閲覧している場合、DSP広告はその消費者に対して、より関連性の高い衣料品やアクセサリー商品を配信します。
3. 類似ユーザー
DSP広告を活用して、既存顧客と同じような行動履歴のあるユーザーを引き寄せ、新たな潜在顧客を見つけるチャンスが広がります。
4. リマーケティング
DSP 広告を通じて、製品を閲覧又は購入した消費者を再び引き付け、顧客の再購入を促進します。
5. 自社が所有する顧客リストのターゲティング
自社が現在所有している顧客リストを活用した広告ターゲティングにより、顧客ロイヤルティを高め、顧客エンゲージメントを向上させます。
6. コンテンツターゲティング
コンテンツターゲティングは、Amazon内にある特定のコンテンツに関連するユーザーに広告を配信する方法です。例えば、自社商品のレビューページに広告を配信することで、自社商品に興味を持っているユーザーに広告を配信することができます。
多くの人々が Amazon で広告を出稿する理由について
アメリカのマーケティングデータ研究機関 Insider Intelligence によると、2021 年末の Amazon は全米のデジタル広告市場におけるシェアは 14.6% でした。しかし、2022 年第2四半期までの時点で、Amazon の広告収入は前年比 18%増の 80.76 億ドルに達しました。これは、同期の Google、Facebookなどのプラットフォームの成長率を上回る水準です。このことから、Amazon はECサイトのリーダーとして、現在、セラーから好まれる広告露出のチャネルとなっていることがうかがえます。
Amazon がECプラットフォームであり、自社のユーザーデータやクラウドネットワークサービスなどを保有していること、さらに、サイトを訪れるユーザーはほとんどが購入を検討している段階にあることため、Amazon での広告は、顧客の注意をより早く引き付け、導線を強化することができます。海外のウェブサイトTinuitiによると、Amazon DSP 広告の予算は、デスクトップとモバイルデバイスに均等に分配されています。なぜなら、データによれば、消費者がスマートフォンで商品を閲覧した後、デスクトップで注文する可能性があることが示されたためです。これにより、広告の配信方法を調整することができ、Amazon が消費者の購買行動をより詳細に分析し、広告効果を向上させることができるとされています。
また、Amazon で商品を販売しているかどうかにかかわらず、Amazon DSP 広告を利用してブランド露出を増やすことができます。ただし、DSP 広告は、予算の多い大企業や有名ブランドに適しています。そのため、Amazonで商品を販売している場合は、まずSEO内部対策を行います。基礎を固めた後、Amazon PPC 広告や DSP 広告を配信することをお勧めします。これにより、DSP 広告の全体的な効果を高めることができます。