日本でも世界のさまざまな食材を購入できるようになりました。食品の輸入は2001年に7兆円を超えており、大幅な増加はしていないものの毎年変わらない数値となっています。

それではこの記事では日本の食品の輸入状況や、食品を輸入するときの注意点や手続きなどを詳しく説明していきます。

目次

食品を輸入するときに必要なこと

食品を輸入するためには、いくつか手続きが必要になります。それぞれ説明していきます。

1.食品等輸入届出関係書類の準備

食品等輸入届出書の他、以下のような書類が必要になるケースがあります。

  ・ 原材料及び製造工程に関する説明書

  ・ 衛生証明書

  ・ 試験成績書

各種様式は厚生労働省のHPからダウンロードをすることができます。また令和2年7月に規制改革実施計画により、これまで必要だっ押印が必要なくなりました。

2.届出をする

検察所窓口に上記の書類をそろえて届出をします。どの書類が必要かわからない場合は、前もって相談をすることができます。

3.審査と交付

書類が揃ったところで、検察所の食品衛生監視員が審査をします。審査が合格したところで食品等輸入届出済証が交付されます。ここで注意点として、もし不合格となった場合は法違反となるので輸入をした団体や企業がその輸入品を廃棄、もしくは積戻しをする必要があります。

4.事前届出制度

輸入をした商品が届く7日前から、検閲所窓口にて届出をすることができます。検査が必要ないと判断された場合は貨物が届いた日にすぐ届出済証が交付されるためすぐに販売が可能になります。

また何度も同じ食品を輸入する場合は、計画輸入制度があり毎回届出をする必要がなくなります。

5.食品を販売するときに必要なこと

食品を販売する場合は、厚生労働大臣に届け出る必要があります。

「第23条 販売の用に供し、又は営業上使用する食品、添加物、器具又は容器包装を輸入しようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、その都度厚生労働大臣に届け出なければならない。」

引用:食品衛生法

食品を輸入するときに注意したいこと

食品を輸入するときに注意したいことは何点があります。それぞれ詳しく説明していきます。

食品の概念

輸入品における食品の概念は一般的な食品だけではありません。食品が触れる食器であったり、幼児が口をつけるおもちゃも食品の概念となります。つまり輸入において食品というのは、以下のように厚生労働省検疫所にて定められています。

また企業において食品を輸入する場合は輸入届出が必要になります。

「対象となる食品等とは、販売又は営業上使用する食品、添加物、器具、容器包装及び乳幼児用向おもちゃとなります。厚生労働省検疫所では、食品等輸入届出の審査、検査を実施しています。輸入の都度、貨物が輸入通関する場所を担当する検疫所に「食品等輸入届出書」を提出してください。社内サンプル品、個人用の輸入については、食品等輸入届出の手続きは必要ありませんが、国内での具体的な使用方法を確認後、ご不明な点があれば「食品等輸入届出」が必要か否か検疫所へお問い合わせください。」

引用:厚生労働省検疫所

日本の食品輸入額

                                   単位:億円

区分2020年2019年2020年/2019年増減率(%)
農林水産物88,94295,198対前年同期比  ▲6.6%
農産物62,12565,946対前年同期比  ▲5.8%  
林産物12,17711,848対前年同期比  ▲2.8%  
水産物14,64017,404対前年同期比  ▲15.9%  
総額678,371785,995対前年同期比  ▲13.7%  

引用:農林水産省

2020年は新型ウイルスコロナの影響があり2019年に比べて6.6%減少して約8兆8,942億円となっています。食品はほかの商品などに比べて、新型ウイルスコロナの影響がありながら大きな減少になっていないのがわかります。

引用:農林水産省

平成30年の農林水産物の主な輸入相手国

以下のように平成30年の農林水産物の主な輸入相手国は、米国、中国、カナダとなっておりこの3ヵ国で全輸入額の3分の1を占めています。

1位米国18,077憶円(18.7%)

2位中国12,477憶円(12.9%)

3位カナダ5,875憶円(6.1%)

平成30年の主な輸入品目

以下のように輸入している品目は肉類が多いのですが、とうもろこしを筆頭に野菜も多くなっています。

米国

  • とうもろこし(3,421憶円)
  • 牛肉(1,656憶円)
  • 豚肉(ぶたにく)(1,379憶円)

中国

  • 鶏肉(とりにく)調製品(ちょうせいひん)(999憶円)
  • 冷凍(れいとう)食品(914憶円)
  • 生鮮(せいせん)野菜(443憶円)

カナダ

  • 豚肉(1,167憶円)
  • なたね(採油(さいゆ)用)(1,143憶円)
  • 製材(せいざい)(853憶円)

引用:農林水産省