ViewECでは、酒蔵をはじめとするクライアント様から、従来の一般貿易に代わる新しい手法として、越境ECを用いたテストマーケティングに関するお問い合わせを多数いただいています。このようなお問い合わせは、特に日本の伝統的な酒造りの世界から多く寄せられており、グローバル市場における新たな販路開拓の可能性に対する関心の高さを示しています。
越境ECを利用して日本製の酒類を海外に販売する際、最も重要なのは、目的国ごとに異なる免許や規制に適切に対応することです。この点は、国際貿易の世界では基本的な要件であり、各国が定めるアルコール関連の法規制や税制、免許要件に準じた販売活動が求められます。特に、アルコール商品はその性質上、厳しい規制の対象となることが多く、販売を行うにあたっては、それぞれの国の法律や規制の詳細を把握し、遵守する必要があります。
この記事では、具体的に越境ECサイトを活用した酒類の発送方法に焦点を当てています。現地のECマーケットプレイスを利用する方法とは異なり、ShopifyやShoplineなどの越境ECプラットフォームを通じて商品を国際的に販売することで、より広範な顧客層にリーチすることが可能です。これらのプラットフォームは、国際的な販売に必要な多言語対応や通貨換算、税関手続きのサポートなど、越境ECに特化した機能を提供しており、日本の酒蔵が世界市場へ進出する際の強力なツールとなり得ます。
また、日本国内から海外へ越境ECで販売するには、下記の2つの酒類免許が必要となります。
・輸出酒類卸売業免許
・通信販売酒類小売業免許
最終的な注意点として、アルコール度数に応じて利用可能な配送キャリアが異なることについて触れておきます。この点は、アルコール商品を配送する際に重要な要素の一つであり、商品のアルコール度数によって選択できる配送サービスが限定されるため、販売者はこの規制を十分に理解し、適切な配送パートナーを選択する必要があります。
・日本郵便配送(24%まで)
・DHL配送(70%まで)
地域 | 国名 | EMS/DHLの発送可否 |
---|---|---|
東アジア | 韓国 | EMSは1Lまで可 DHLは可 |
台湾 | 可 (5Lまで) | |
中国 | 可 | |
香港 | 可 | |
東南アジア | シンガポール | 可 |
マレーシア | 可 (1本まで) | |
オセアニア | オーストラリア | 可 |
北米 | アメリカ合衆国 | 不可 |
カナダ | 不可 | |
ヨーロッパ | イギリス | EMSは1本まで可 DHLは可 |
フランス | 不可 | |
ドイツ | EMSのみ可 |